1970年代なかばから炭素繊維は上市・生産が開始され、プラスチックへの強化繊維として使用されてきました。今では、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)として、航空宇宙、医療分野で広く使用されています。炭素繊維の90%以上は純粋な炭素で構成されています。
優れた機械強度
炭素繊維は弾性率が高く、剛性が主として求められる用途に最適です。また、ガラス繊維強化プラスチックよりも、機械強度に優れます。エンズィンガーではPEEK, PPS, PA66など10種類以上のグレードをご用意しています。強度は50MPaから150MPaにおよびます。PEEK圧縮成形グレードであれば、ご要望に応じて炭素繊維を10%から40%の範囲でカスタムで配合することができます。CFRP以外にも、500MPa以上の強度を誇るPEEKコンポジットもご用意しています。
電気特性
ガラス繊維およびアラミド繊維は高い電気絶縁性を備えていますが、炭素繊維は導電性です。機械強度の向上を目的として配合設計しているため、電気特性は2次的な効果になります。そのため、素材全体で導電性が均一であるという保証はありません。(表面抵抗値、体積抵抗値の保証はできません。CNT(カーボンナノチューブ)を配合した導電性グレードであれば、最適な範囲でコントロールしており安全に使用できます。)
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摺動用途
ガラス繊維と比較すると、炭素繊維は摺動摩耗・低摩擦を伴う用途に適しています。炭素繊維はその特性により、摺動性能をサポートし、耐摩耗性を著しく向上させます。