医療用POM グレード

POM医療用グレードは、多くの洗浄剤や消毒剤、溶剤に耐性のあるプラスチックで、高温蒸気滅菌処理(オートクレーブ)をすることができます。

主に、膝関節、股関節、肩関節の置換手術におけるサイジング用テストピースなど、手術器具として利用されています。

優れた機械特性、耐薬品性、生体適合性を持つため、エンズィンガーでは、PPSU(ポリフェニルスルホン)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの高性能な素材を推奨しています。これらは、TECASON P MT(PPSU)およびTECAPEEK MT(PEEK)の商品名で販売しています。


主な特徴

高い剛性と硬度、良好な摺動特性および摩擦特性、優れた電気絶縁性を有します。

  • 高い耐薬品性(特にアルカリ、溶剤、燃料への耐性)
  • 高い強度、硬度、バネ剛性
  • 低い吸湿性
  • 良好な寸法安定性

蒸気滅菌(オートクレーブ)耐性

約200回で退色、約500回で変色(黄ばみ)が見られます。そのため、PPSU(ポリフェニルスルホン)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などのより高性能な素材候補を推奨します。

試験条件

薬品洗浄処理を行っていないプラスチック試験片を使用し、以下を1サイクルとして実施しました。

  • 滅菌処理温度:134℃
  • 滅菌時間:10分間
  • 乾燥時間:20分
  • 室圧:3Bar

※薬品を用いた洗浄(例:Ecolab、Borerなどの使用)の影響については考慮していません。これまでの経験から、薬品の種類と洗浄回数が耐久性に影響を及ぼすことがわかっています。薬品を使用した場合は、上記の回数まで対応できないと考えられます。