医療用炭素繊維コンポジットPEEK

TECATEC MT CW

TECATEC PEEK MT CW50 blackは、炭素の連続繊維とPAEK樹脂から構成されるコンポジットで、エンズィンガーのCFRP素材郡の中で最も強度の高い素材です。500MPaを越える強度、比重:1.5以下の軽量性、幅広い温度環境での安定した寸法精度があります。卓越した物性から、ターゲットデバイス、創外固定器、その他の構造部品など、外傷領域(骨接合)で使用されています。

生体適合性

ISO 10993の生体適合性に対応しており、血液や体組織への24時間以内接触に適した素材です。

TECATEC PEEK MT CW50 black 素材に対して、ISO 10993に基づいた試験を実施しています。 

主な特徴

TECATECの炭素繊維コンポジットは、熱可塑性樹脂と炭素繊維織布(カーボンクロス)で構成されています。この2つの素材を組み合わせることで、一般的な繊維強化押出素材と比較し、強度、弾性率が大幅に向上しています。この軽量で高強度複合素材は、優れた耐薬品性とX線透過性を備えており、医療用途、特に整形外科おいて最適です。

  • 非常に優れた強度
  • 良好な寸法安定性
    (高温下でも優れた寸法安定性)
  • 低吸水性
  • 耐腐食性
  • 非常に優れた蒸気滅菌
    (オートクレーブ)耐性
  • 非常に優れた耐薬品性

 

 

蒸気滅菌(オートクレーブ)耐性

500回の滅菌処理を行っても、TECATEC に機械特性の著しい低下や退色などは見られません。

試験条件
薬品洗浄処理を行っていないプラスチック試験片を使用し、以下を1サイクルとして実施しました。

  • 滅菌処理温度:134℃
  • 滅菌時間:10分間
  • 乾燥時間:20分
  • 室圧:3Bar

※薬品を用いた洗浄(例:Ecolab、Borerなどの使用)の影響については考慮していません。これまでの経験から、薬品の種類と洗浄回数が耐久性に影響を及ぼすことがわかっています。薬品を使用した場合は、上記の回数まで対応できないと考えられます。

TECATEC MT素材

TECATEC PEEK MT CW50 black
 VICTREX社のPEEK樹脂に炭素繊維織布を50%含有させて積層した圧縮成形素材です。織布に施された特殊なコーティングにより炭素接着界面は強固となり、通常の炭素繊維素材よりも強度が向上しています。約500MPaの引張強度を誇り、極めて高い剛性とねじり耐性を発揮します。その結果、オートクレーブ(滅菌処理)を繰り返した際のソリはほぼ無く、高い寸法安定性を実現しています。

TECATEC PEEK MT CW50 black はお客様のご要望の寸法に応じて、受注生産致します。板厚:1mm単位でご指定いただけますので、材料コストを最大限に低下させることができます。

TECATEC PEEK MT CW50 black

50%炭素繊維織布を配合した強化PEEK素材です。スチールと同等レベルの機械強度、極めて優れた寸法安定性があります。生体適合性素材であり医療用途に最適です。

採用事例

ターゲティングアーム

TECATEC PEEK CW(炭素繊維コンポジットPEEK素材)

整形外科向け固定システム

整形外科外傷の治療は、折れた骨を正しい位置と方向に戻すことです。創外固定器や固定システムは骨を正しい位置に戻し確実に固定するために使用されます。PEEK製のターゲティングアームは、化学洗浄と滅菌処理への優れた耐性があり、長期に渡って使用可能な高機能部品です。