X線検出プラスチック

金属はX線を透過しませんが、プラスチックはX線を透過するため、医療分野や食品製造ラインで使用されるX線装置ではたとえプラスチックが破損しても検出できません。特殊なフィラーを配合したエンズィンガーのX線検出プラスチックであれば金属のように造影することができ、混入のリスクを回避することができます。

医療向けX線造影グレード

エンズィンガーのX線造影グレード(XROグレード)は低侵襲・画像制御手術の厳しい要求事項を満たす素材です。標準医療グレード(MTグレード)に最適な濃度で造影剤を添加したことで、蛍光透視検査やレントゲン撮影で対象物を明瞭に造影させることが可能となりました。これにより、人工関節置換手術のインプラント処理前段階において、トライアルテストピースの正確な位置を確認することができます。
  • TECAPEEK MT XRO (PEEK樹脂)
  • TECASON P MT XRO (PPSU樹脂)


の2種類をご用意しています。良好な造影性を備え、X線撮影に対応した医療グレードです。様々なカラーバリエーションを取り揃えており、使用の自由度が高まります。例えば、異なる器具を見分けやすくしたり、サイズごとに分類したり、色によるブランディングで競合製品と差別化したりすることができます。

TECAPEEK MT XRO green

Victrex® PEEKを使用した生体適合性の医療用X線検出機対応緑色PEEK素材です。蛍光透視検査やレントゲン撮影で対象物を明瞭に造影できます。

TECASON P MT XRO black

生体適合性の医療用X線検出機対応黒色PPSU素材です。X線造影剤を配合したことで、蛍光透視検査やレントゲン撮影で対象物を明瞭に造影できます。

生体適合性素材
24時間以内の体液、骨組織、細胞組織へ接触する医療素材に対して、ISO 10993の要件に基づいた試験を実施しています。

特徴: 
  • 生体適合性を有する原材料・着色添加剤
  • 洗浄液、殺菌剤、各種溶媒に対する耐性を有する
  • 繰り返し実施するオートクレーブ処理(WHO:134℃、18分)に対する良好な耐性
  • 高い耐ガンマ線性
  • 耐加水分解性に優れる
  • 寸法安定性に極めて優れ、高硬度で剛性がある
  • 高い熱的安定性と優れた機械的特性を有する
  • 衝撃強度、ノッチ付き衝撃強度に優れる 
  • 電気絶縁性に非常に優れる

 

食品製造向けX線検出機対応プラスチック:UDシリーズ

近年、食品製造中に予期しないプラスチックの破損や金属異物を除去できるよう、多くの製造業者はインラインでX線検出機を導入しています。異物混入の防止と安全性の意識はますます大きくなっています。

エンズィンガーのUDシリーズはX線検出機で検出可能なグレードです。TECAFORM AH UD blue(POM樹脂)、TECADUR PBT UD blue(PBT樹脂)、TECAPEEK UD blue(PEEK樹脂)であれば、プラスチックがたとえ破損しても破片を検出できます。金属検出機にも反応し、また青色のプラスチックにより光学スキャナーや目視での検出も可能です。これら3つの相乗効果により品質と安全性が大きく向上します。

 

TECAPEEK UD blue

金属検出機およびX線検出機どちらにも検出可能なPEEK樹脂です。プラスチックがたとえ破損しても破片を検出できるため、食品製造の安全性が向上します。150℃以上の耐熱性があります。

TECAFORM AH UD blue

金属検出機およびX線検出機どちらにも検出可能なポリアセタール・コポリマー(POM-C)樹脂です。プラスチックがたとえ破損しても破片を検出できるため、食品製造の安全性が向上します。

TECADUR PBT UD blue

金属検出機およびX線検出機どちらにも検出可能なPBT樹脂です。プラスチックがたとえ破損しても破片を検出できるため、食品製造の安全性が向上します。