膝間接インプラント用サイズ調整テストピース

膝関節手術や再建手術は世界中で行われており、インプラント向けの手術器具にはハンドリング性や安全性が求められています。エンズィンガーはこれまで、大腿骨、脛骨、骨幹向けに使用されてきた金属製のテストピースを、PPSU素材:TECASON P MTやPEEK素材:TECAPEEK MTといったプラスチックにほぼ完全に置き換えてきました。従来の金属製ピースを用いた場合、以下の懸念点がありました。

  • 生体適合性へのリスクがありました。生体適合性の試験と確認は金属の表面に対してしか行なわれません。そのため、破損や摩耗により生体適合性が損なわれる可能性がありました。 
  • 金属製部品は重量が大きく、そのため滅菌時の作業費用がかさむことがありました。器具のセットによっては、重い金属部品で許容可能な総重量をすぐに超えてしまうため、多くのトレイを処理する必要がありました。
  • X線透過がサイズ確認の際に重要となる場合があります。金属ではX線撮影に写るため使用できないケースがありました。

これらの点ををカバーできる理想的なソリューションはプラスチックでした。

インプラントトライアルのさらなる機能を目指して 

エンズィンガーの医療グレード:MTシリーズはカラーバリエーションが豊富で、試験インプラントを設計する際の自由度が大きく増します。試験インプラントのサイズは色分けによって示されます。これにより、手術中の取り扱いが簡単になるとともに、インプラント患者への寸法確認が容易になります。

さらに、XROグレード(X線不透過性プラスチック)の追加によって、トライアル性能をさらに向上させることができます。TECAPEEK MT XROとTECASON P MT XROを使用することで、X線撮影でパーツを確認することができます。これにより、制御用X線を使用してコンポーネントがどれくらい正確にフィットしているか確認することできます。

優れた医療プラスチックの機能により、設計段階からそのメリットを生かせます。例えば、TECASON P MTの優れた強度と硬度のバランスであれば、金属では不可能なスナップフィットなど高度な性能が要求される構成部材に対応できます。 

エンズィンガー素材のメリット 

製品名とブランディングの強化

通常、機能によって形状が限定される医療機器や器具では、デザインで製品を差別化することが困難です。MTグレードであれば自由なデザインも可能となり、競合他社から製品を差別化できます。また、豊富なカラー群とレーザーマーキング性によりブランディング化もできます。

コスト効率の向上と後処理工程の削減

プラスチックは金属より簡単に素早く切削加工できます。鋭利な部分の加工や難しい表面処理も容易で、バリ取りなど後処理の必要性が減ります。 

長期の臨床使用

MTグレードは蒸気滅菌などさまざまな滅菌方法に対する耐性が高く、化学薬品にも高い耐性があります。これにより非常に長期の臨床使用に耐えられます。 

軽量による滅菌トレーの削減

MTグレードの比重の低さは大きな経済的メリットです。スチールより最大80%、チタンやアルミニウムより50%軽いです。トレー1つで運べる試験インプラントの数が増えるほど、使用するトレイの数が少なくて済みます。これにより、人工膝関節メーカーの製造コストが削減されるとともに、病院や診療所での作業時間も短縮されます。

製品登録における安全性

高度で慎重さを要する医療機器の登録手続きは、非常に複雑で手間がかかることが多いものです。製品開発段階からエンズィンガー素材の生体適合性はユーザーのリスク評価に役立ち、安心と安全を提供します。エンズィンガーはお客様およびサプライヤーと長期的なパートナーシップを構築することを目指しており、これにより仕様の一貫性を確保しています。

膝間接インプラント用サイズ調整テストピース向け素材