テストソケット
半導体製造プロセスにおいて、チップは耐久性と機能性を確保するためテストされます。回路設計者が指定するチップ試験に応じて様々な種類のテストソケットが使用されています。近年、高機能プラスチックへの要求はますます増え続けています。
テストソケットは様々なテストやサイクルテストに使用されるため、幅広い温度範囲での高い寸法安定性、優れた機械加工性と最小のバリ、優れた機械強度と弾性率などの特性が求められます。これらの特性に加えてコストも重要で、最終的には使用頻度と耐久性のバランスに応じて素材は決定されます。
エンズィンガーではテストソケット向けに以下の素材を推奨しています。
TECAPEEK CMF white
ポリイミドよりコスト効率性が高いPEEK素材です。高耐熱、微小な穴や狭ピッチが求められる微細加工性が必要な場合に適しています。耐摩耗性と高弾性率により、10万回のチップインサートに耐えることができます。
TECAPEI natural
ESD特性が問題にならず、温度がやや高い程度であればPEI素材は低コストで理想的です。幅広い温度範囲で高レベルの機械特性と寸法精度を示します。ただし、微細な穴を開ける場合は使用できません。PEIの多くの特徴を維持しつつ、更に剛性と寸法精度を向上させたガラス繊維30%配合:TECAPEI GF30 naturalグレードもあります。
TECASINT
最も価格が高く、最も機能性のあるポリイミド素材です。高温用途、極めて高い寸法安定性を求める用途において最適です。標準グレードに加えて、ESDグレードもあります。
エンズィンガーのテストソケット向け素材は切削加工性に優れ、バリをほとんど発生させません。したがって、公差の小さいテストソケットを作ることができます。TECAPEEK CMF whiteとTECAPEI naturalを使用すれば、テストソケットの耐久性と寿命を大幅に向上させることができます。
テストソケットは種類が多く、求められる特性も様々です。エンズィンガーではそれぞれの要件に適した素材を提供しています。