ウエハークランプリング
半導体製造装置には、高機能プラスチックを使用したさまざまな部品が使われています。中でも、ウエハーリング、正確にはウエハークランプリングは、さまざまな処理工程においてウエハーを固定し、正確に位置決めするために使用されます。ウエハーをクランプすることは、正確な処理精度を維持し、ウェハーの歩留まりを維持するために重要です。
クランプリングをはじめとするウエハー周辺部品は、プロセスチャンバー内の厳しい条件や力に耐える必要があります。使用条件に応じて、ウエハークランプリングの材料を適切に選択することは、寸法安定性と機械的特性を確保するために不可欠であり、それはプロセスのパフォーマンスと歩留まりに直接影響を与えます。また、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、場合によっては耐プラズマ性などの特性に加えて、汚染や欠陥を最小限に抑えるために、ウエハークランプリングの材料には高純度レベルと低アウトガス性が求められます。
ウェットプロセス向けクランプリング
枚葉式洗浄機、コータ/デベロッパ、CMPなどのウェットプロセスでは、部品の材料として耐薬品性、寸法安定性、純度、強度などが必要になります。ほとんどの場合、クランプリングは無添加のPEEK樹脂(TECAPEEK natural)または無添加のPPS樹脂(TECATRON natural)で作られています。PEEKは高温下や機械的応力にさらされる部品によく使われ、PPS熱可塑性樹脂は使用条件がそれほど厳しくない部品に経済的な代替品として使われます。強度が要求されるクランプリングには、PEEK CF30 - TECAPEEK CF30 blackが多く使用されています。導電グレードとしては、TECAPEEK ELS nano blackやTECAPEEK ELS CF30 blackなどがクランプリング素材として使用されています。
エンズィンガーの無添加PPS板材の「TECATRON natural」は、内部応力を最小限に抑えることで、ウエハークランプリングなどの精密部品の厳しい公差を維持するために、特別に開発されました。
- 半導体製造装置向けPEEK - TECAPEEK SE natural
- PEEK30%炭素繊維強化 - TECAPEEK CF30 black
- PEEK30%炭素繊維強化導電グレード - TECAPEEK ELS CF30 black
- PEEK導電グレード - TECAPEEK ELS nano black
コストの削減 - 最適なサイズの選択
エンズィンガーでは、半導体業界の要求に対応可能なPPS素材であるTECATRON SE naturalおよびTECATRON SX naturalについて、幅広い寸法のチューブを提供しています。また、在庫サイズに加えて、カスタムサイズでの受注生産も可能です。
ウエハー直径 |
06" (150 mm) |
08" (200 mm) |
12" (300 mm) |
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チューブ (外径 / 内径) |
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180 / 125 | 230 / 150 | 280 / 210 | 340 / 260 | |
180 / 130 | 230 / 180 | 285 / 180 |
340 / 310 | |
180 / 140 | 230 / 190 | 285 / 190 | 350 / 300 | |
180 / 150 | 230 / 195 | 285 / 195 | 360 / 290 | |
180 / 160 | 230 / 200 | 285 / 200 | 360 / 295 | |
185 / 125 | 238 / 210 | 285 / 210 |
364 / 260 | |
185 / 130 | 250 / 180 | 285 / 220 |
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185 / 140 | 250 / 190 | 300 / 180 | ||
185 / 150 | 250 / 195 |
300 / 190 |
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185 / 160 |
250 / 200 | 300 / 195 | ||
190 / 125 | 250 / 210 | 300 / 200 | ||
190 / 130 | 250 / 220 | 300 / 210 | ||
190 / 140 | 255 / 180 | 300 / 220 | ||
190 / 150 | 255 / 190 | 305 / 180 | ||
190 / 160 | 255 / 195 | 305 / 190 | ||
200 / 125 | 255 / 210 | 305 / 195 | ||
200 / 130 | 255 / 220 | 305 / 200 | ||
200 / 140 |
277 / 180 | 305 / 210 | ||
200 / 150 | 277 / 190 | 305 / 220 | ||
200 / 160 | 277 / 195 | |||
200 / 175 | 277 / 200 | |||
210 / 125 | 277 / 210 | |||
210 / 130 | 277 / 220 | |||
210 / 140 | 280 / 180 | |||
210 / 150 | 280 / 200 |
ドライプロセス向けクランプリング
プラズマCVD、プラズマエッチング、イオン注入などのドライプロセスでは、ウエハーやその周辺部品が高エネルギー且つ高腐食性のプラズマにさらされます。また、このような加工の一部では、250 °C以上の温度に耐える必要があります。このようなプロセスでエンズィンガーが推奨する材料は、300 °Cの長期熱安定性を持つポリイミド樹脂(PI)をベース原料にしたTECASINT 4000シリーズです。
TECASINT 4011とTECASINT 4111の両素材は、高温環境とプラズマに対して非常に強い耐性を持っていますが、TECASINT 4111は分子構造のため、更に高い温度で使用することができます。
TECASINT 4111は、他社のPIと比較して耐プラズマ性に優れており、プラズマ中の材料損失が少ないことが特徴です。TECASINT 4111は、高温下でも比較的低い速度で腐食が進むことを可能にしています。また、時間の経過に伴う重量減少が小さいことも、プラズマ用途で優れた性能を発揮することを示しています。
Etching rate
Weight loss
PIのもう一つの利点は、高温下でも維持される優れた機械的特性です。DMTA(Dynamic Mechanical Thermal Analysis)によると、 PIの曲げ強度は、約160℃から貯蔵弾性率が急激に低下する無添加のPEEKに比べて明らかに優れています。さらに、TECASINT 4111は、競合する従来のPIと比較しても、-150℃から400℃以上の温度範囲で一貫して高い性能を示しています。