2023年 9月15日 / ブログ記事
摺動性の高い樹脂材料について
プラスチックは、その優れた摺動性能で多くの工業分野で広く使用されています。しかし、摺動特性は単に滑りやすさだけではありません。本記事では、プラスチックの摺動特性に焦点を当て、その重要性、影響要因、および代表的な高性能プラスチックについて説明します。
摺動特性の基本
プラスチックは一般的に、摩擦係数が小さく、非常によく滑る素材です。これは、プラスチックが自己潤滑性を持っているためです。しかし、摺動性能は滑りやすさだけではなく、プラスチックの摩耗にも関与します。摺動特性は機械部品の性能に直接影響を与え、その重要性は高まっています。
摺動特性の影響要因
摺動特性は、使用環境の影響を強く受けます。以下は、摺動特性に影響を与える要因です。
- 荷重: 摺動部品にかかる荷重は、摺動面に大きなストレスをかけることがあります。
荷重が増加すると、摺動特性が重要になります。
- 滑り速度: 部品同士の相対的な滑り速度も摺動特性に影響を与えます。
速度が速い場合、摺動面に摩擦熱が発生しやすくなります。
- 温度: 温度変化は摺動特性に大きな影響を与えます。
高温環境ではプラスチックの摺動性能が変化し、摩耗が増加することがあります。
- 動作タイプ: 摺動部品の動作タイプ(往復振動、回転振動など)も重要です。
摺動特性は動作タイプによって異なることがあります。
- 相手材と表面状態: 相手材の種類とその表面状態も摺動特性に影響を与えます。
例えば、粗い表面や硬い相手材(鋼鉄など)の場合、柔らかいプラスチックは摩耗しやすくなります。
摩擦係数の低いプラスチック材料
プラスチックは低い摩擦係数のため、よく滑り、潤滑剤がないドライ環境でも摩耗しにくい材料です。これに加え、プラスチックは耐腐食性、軽量、低ノイズ性など、多くの機能を提供し、長期耐久性を可能とします。これはメンテナンスコストの削減やダウンタイムの減少に貢献します。
一般的には、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)やPTFE樹脂は最も低い摩擦係数を持つことで知られています。低摩擦係数に加え、強度や耐摩耗性が必要とされている用途には、ナイロン、POM、PET、PEEKなどが幅広く実績を持っています。下記のデータではPA6樹脂(TECAMID 6)、POM-C樹脂(TECAFORM AH)、PET 樹脂(TECAPET)、PEEK樹脂(TECAPEEK)、摺動性PA6C樹脂(TECAGLIDE)、摺動性PEEK樹脂(TECAPEEK PVX)の摩擦係数を比較しています。
エンズィンガーの摺動性プラスチック
エンズィンガーは、高機能プラスチックの専門家であり、多くの摺動性プラスチックを提供しています。
PEEK、PPS、ナイロン、アセタール、ポリイミド、ポリエステルなどのプラスチックは高い摺動性と耐摩耗性を持つことで知られています。
さらに、耐熱性の高いPEEKやPIの摺動グレードも提供しており、高温環境でも優れた摺動性能を発揮します。
以下はエンズィンガーの提供する摺動性プラスチック材料のいくつかです。
低摩擦や耐摩耗性の他にも、優れた耐腐食性、軽量、低ノイズ性など、多くの機能により長期耐久性を可能とします。メンテナンスコストの削減やダウンタイムの減少にも貢献します。
まとめ
プラスチックの摺動特性は、多くの工業分野で重要な要因です。荷重、滑り速度、温度などの要因が摺動性に影響を与え、実際の使用環境でのテストが不可欠です。高性能プラスチックは、優れた摺動性能を提供し、機械部品の性能向上に貢献します。エンズィンガーは、さまざまな高機能プラスチックを提供し、お客様のニーズに合った素材を提供します。
摺動性に関するデータや各素材の物性表は、弊社ウェブサイトからダウンロード可能です。
摺動性データの詳細については、
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